宮原の舎
OFFICE IN MIYAHARA
敷地にあった2棟のうち1棟を残し、新たな事務所棟を増築する計画。
既存棟とのつながりを保ちながら、新築棟の上下階にも連続した関係をつくり、
新旧の建物がひとつながりの環境となることを目指した。
1階はアプローチと駐車場を兼ねたピロティとし、建物の足元を開放することで、住宅が近接する周辺環境に対して建物の量感を和らげ、圧迫感を抑えている。
主なワークスペースとなる2階は、住宅に近いスケールの床面積でありながら、
連続する開口部と吹抜けによって、落ち着きと開放性を併せ持つ場となっている。
吹抜けに設けた緩やかに弧を描く階段は、曲がりながら上り下りすることで視線の高さと方向が少しずつ変化し、上下の気配を重ねながらシームレスに場をつなぐ装置となる。
さらに、既存棟へとつながる動線を重ねることで、新旧の建物を行き来する回遊性を生み出した。
3階は研修やスタッフの休憩に使われるフリースペースとした。床にレベル差を設けることで、基準フロアからは呉湾への視線が遠くまで抜け、一段下がった場所には木質感のある落ち着いた居場所が生まれる。
また、その断面構成によって、2階の窓辺には高さを抑えた、静かに集中できる環境がつくられている。
近接する住宅のスケールに応答しつつ、その先に広がる風景へと視線をつなぎ、
この建築を新旧の建物、階と階、近くの街並みと遠くの風景を関係づける媒介として、敷地全体をひとつの仕事の環境へと組み替えることを考えた。

