大須和の家
House in osuwa
計画地は緑に囲まれ、境界線を感じないくらいゆったりと住宅間の距離が取られており、広々としたおおらかな環境にある。
アウトドアやDIY好きな建築主からは自分でドッグランが作れ、バーベキューや運動などのアクティビティを楽しめ、友人が訪れた際に車をたくさん停められる広いスペースやゆったりと寛げる内外に大きな余白のある住宅が望まれた。
外部の余白を作るにあたって、建物の敷地に対するボリュームや採光、通風条件を考えると車が出入り可能な敷地の南側に駐車スペース、中央に建物、北面に庭を設ける配置計画が合理的と考えた。
敷地の中央に矩形のボリュームを配置してみると表裏が出来ること、これだけ四方に広がりがあるのにその豊かさを最大限享受出来ていないこと、周りの自然の強さに圧倒され異物のように感じられることから矩形ではない明快で強い幾何学的形態を持つ住宅がふさわしいのではないかと考え、様々な検討の結果、十字形の形態を与えるに至った。
十字形プランにより全ての居室が3面外部に接することとなり採光、通風、視線の抜けが確保できる快適な住空間となった。また、2階では十字形の真ん中部分を家族室とすることで廊下を無くし限られた面積の中で広々とした寛げる空間を設けた。また、色々な方向へ開口部があるため、住宅内を移動すると場所によって周りの自然が様々な表情を見せてくれる。
外部においても十字形にすることで各壁面が分割され、矩形に比べ小さくなることで圧迫感を感じないと同時に四隅が切り取られて表面積が大きくなるため外部にも色々な場所が出来る。
周辺環境と内外部空間の関係性から導かれた明確な輪郭(形態)によりこの場の持つ豊かさを問うた住宅である。