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大上の家

House in Ohue

軒が生み出す周辺環境とのつながり

傾斜地に沿って不規則に民家が建ち並ぶ集落に建つ住宅である。この集落の、地形と一体となった家並みと、その隙間から見え隠れする魅力的な山の稜線や空という、周辺環境との繋がりを主題とした。
敷地は約130坪と一般的な宅地よりも広く、不整形で高低差があり、生活道や様々なレベルにある民家に取り囲まれている。要求された規模から導かれた総2階の建物だとまわりから孤立しているようで落ち着かない。一方で平屋ではボリュームが大きくなってしまい周囲の住宅スケールと馴染まない。
そこで、大小ふたつの平屋と2階建ての3つのボリュームに分け、約1.2m下がった敷地部分に2層のボリュームを配置することで平屋とのギャップを緩和し、分節しながらも連続感をもたせた。
また、ぐるりと囲む隣り合った家々との距離感や窓の位置を読み解き、ずらしながら配置することでいびつな土地に調和させた。
外形は分節したボリュームに切妻屋根を架け、高さを変えながら連続させ、起伏に富んだ土地のありさまや家並み、遠方に広がる山の稜線といった風景との結びつきを表現している。
この特徴的な屋根により連なる軒は、垂木をスチールで補強し薄く深くすることで抽象化され、より風景との関係性を強めると同時にプライバシーや日射をコントロールしている。開口部を挟んで軒と連続する天井は、外部と同様にズレのある構成を引き継ぎ、内部空間においても敷地のコンテクストを体現している。
また、適所に設けた窓は南北に長いこの住宅に効果的に光をもたらし、西日で赤く染まる山々やたなびく雲など、その時々によって絶えず変化していく自然を感じ取ることもできる。
周辺環境から導かれた地形的な天井面と敷地の個性である高低差を活かした床面を噛み合わせることにより、単純な平面でありながらも立体的で解放感に満ちた場を目指した。

設計監理 花本大作建築設計事務所
構造設計 平田登記測量・設計事務所
施工 株式会社 三四五屋
撮影 益永研司写真事務所
設計期間 2015年3月~2016年5月
工事期間 2016年6月~2017年2月
用途 専用住宅
構造 木造
規模 地上2階
敷地面積 426.13㎡
建築面積 114.57㎡
延床面積 126.14㎡
【受 賞】
  • ◎第29回呉市美しい街づくり賞 すまい部門 受賞
  • ◎ひろしま住まいづくりコンクール2017 奨励賞 受賞
  • ◎エネルギア住宅作品コンテスト2017 審査員特別賞 受賞
【メディア】

国内
新建築住宅特集2018年12月号
心地よい暮らしの間取りとデザイン2017
海外
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