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広本町の家

House in Hirohonmachi

街の複雑多様性を引き込む

計画地は小さな街の商店街にあります。
この住宅においては強い全体性を与えないことで周辺環境と連続する場を生み出す事を目指しました。
敷地の周りには小売店、飲食店、医院、遊技場、集合住宅など様々な用途や規模の建物が建ち並んでいます。
各建物はそれぞれが求めに応じ異なる論理により計画され不揃いで統一感はないが商店街としては連々たる建築の集合体となり街の新陳代謝を体現しています。
当初はそうした雑多さから切り離し敷地内のみで快適な空間を完結させる求心的な手法も考えましたが、そのリジッドさが集合体との乖離や生活を逆に窮屈にしてしまう可能性も否めませんでした。
そのため周囲に広がる複雑多様な関係性を引き込んだ設計を行うことで街との連続的な関係を築くと同時に伸びやかで生き生きとした住環境を得られるのではないかと考えました。
具体的には必要諸室と外部環境とのつながりを確保する外室を一度バラバラのボリュームに分解し、建築主との話し合いによりそれらを再構築していくことで中心性の弱い構成としました。
設計途中の追加要求機能も街に見られるような偶発的な空間変化として受け入れ、そのまま計画に継ぎ足し過度にコントロールすることを控えました。
その結果、いろいろな気積や特徴を持つ場が複雑に絡み合い、街の中を歩いているように小さな場面が連続していく変化に富んだ内部空間となりました。
また、ボリューム同志のずれや外室越しに街の風景や空などを身近に感じることで周辺環境とのつながりを感じることが出来ます。
外形についても内部の関係性をそのまま表出させ、ある固有のスタイルを持った住宅としてまとめることを避けることで、立ち姿は用途不詳で見る角度によって表情が変化し、この界隈の建物と調和した集合体の一部となっています。

設計監理 花本大作建築設計事務所
構造設計 金子武史構造設計事務所
施工 株式会社平田組
撮影 益永研司写真事務所
設計期間 2019年3月~2019年8月
工事期間 2019年10月~2020年4月
用途 専用住宅
構造 木造
規模 地上2階
敷地面積 117.09㎡
建築面積 82.91㎡
延床面積 149.99㎡
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