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三芦の家

House in Miashi

差をとることで場をつくる

幹線道路の役割を終え生活道路として機能している国道と昭和22年に構想されたまま今後の展望を見通すことが出来ない計画道路用地に挟まれた敷地に建つ動物病院併用住宅である。
外観は生活感を消すことで動物病院として際立たせながら車の往来と動物による鳴き声に対処し、動物病院部分の小さな必要諸室を連結させた平面構成、人工照明を中心とした均質で安定した環境と対比させたおおらかで光を微細に感じられる住空間が求められた。
そのため、病院として正面性を与えるために設けた開口部以外はほぼ同形状とし、必要最低限の窓を各用途により分け隔てることなく不規則に配置することで住宅としての匿名性を確保し、内外部から生じる音に対する問題にも配慮した。
また、この住宅においては建築を構成する床、壁、天井に現れる明度の差を意識的にとることから空間を構成し、その各面に現れる抽象化された自然光を享受することを考えた。
床、壁に生まれる繊細な差を感じとることが出来るよう同時に多数の面を見渡せるワンルームに近い伸びやかなプランニングとする一方で、床面から2,050mmの高さまで下げた垂壁が天井面を格子状に分割し、視線を適度に遮ることで単純な空間構成に奥行きとリズムを寄与している。
区分された天井面は様々な大きさや距離感にある開口部と接することではっきりとした明度差を持ち、縁取り輪郭を付与する垂壁や構造体を剥き出した荒い仕上げによりその存在が強調され、生活に伴い据えられていく物によって前述した知覚が弱まることが想像される床面、壁面が担う役割を補い空間の骨格となる。
建築を象るそうした恒常的な要素が今後移り変わっていく外部環境、家族構成、ライフスタイルなどに対して、住まい手の拠り所となり続ける住宅を目指した。

設計監理 花本大作建築設計事務所
構造設計 金子武史構造設計事務所
施工 株式会社平田組
撮影 益永研司写真事務所
設計期間 2018年1月~2018年6月
工事期間 2018年7月~2019年2月
用途 動物病院付住宅
構造 木造
規模 地上2階
敷地面積 257.75㎡
建築面積 107.59㎡
延床面積 193.26㎡
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